クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

 
 ──二人が消えた魔法円をコルコル族たちは固唾(かたず)を呑んで窺う。

「成功、したかな?」

「戻ってこないよね」

「もう少し待ってみる?」

 緊張しながら、さらに待つ。

「これは成功だよな?」

 呼び出すのも戻すのも初めての彼らは、成功が解らなくてざわつく。

「成功とみて良いだろう」

「ですよね」

「やったあ~」

 ベリルの言葉でようやく、ホッと胸をなで下ろした。

 いよいよベリルの番となったとき、

「本当に還るのか」

「もう会えないの?」

 セルナクスとマノサクスが切なげに視線を送る。

「喜ばしい事だ」

 散々な目に遭った記憶を思い起こし、無表情に返した。

「ひど!」

「なんてこと言うんだよ!」

 声を荒げる二人に、お前たちのせいだと目を据わらせる。