背後にだけでなく、幾つかの森がある程度の大きさで点在している。肌から伝わる空気から、明らかに異質な気配が感じられた。
それは悪意や敵意といった、明確な違和感ではなく。ただ、「自分が生きてきた世界ではない」と思わせる漠然とした感覚だ。
とりあえず体を確認する。
グレーのミリタリー服にショルダーホルスターとバックサイドホルスター、そして両足のレッグホルスターには銃が収まっていた。
他にもナイフなど数種類の武器を装備している。足元には、特大サイズのバレル・バッグ。
因みに、ホルスターとは拳銃を収めるケースの事で、上に記したように装着する場所によって形や名称が異なる。
「問題はないようだ」
これがシャワー中でなかった事に安心した。裸で草原に立ちつくす自分の姿は、想像するに悲しい。
どれだけ持てるかを再確認していたため、いつもより装備品は多い。予備の弾倉が手の中にあり、この状況でひとまずの安堵感を与えていた。
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