まるで降りしきる雪原を思い起こさせるような鈍い銀色の輝きは手触りも良く、何気なく柄に刻まれた紋章に目を留める。 切っ先を上に向けた剣の柄に一対の翼がはばたき、その背後には簡略化した盾が刻まれていた。 師に自分の証を作れと言われ、悩み抜いてどうにか捻り出したエンブレムだ。 自ら死を選ぶことはなくとも、死を望んでいたベリルに師(彼)が何を思い作れと言ったのかは解らない。 けれど、このエンブレムは不死となったベリルに今も強い絆を結び続けている。