「まさか合成生物の創造を!?」

 ミレアは大きく目を見開いた。もう数千年以上も前に禁忌とされた生物の合成術を行ったなんて信じられない。

「はい。そうです」

 一体を作成したあと、コルコル族が召喚した勇者のなかに不死者がいることを知り、その能力で自分たちを強化出来ないかと作った生物を操るための準備をしていたときに逃げられてしまう。

 仕方なく、完成間近のもう一体を操る準備をしているさなか、邪魔な二人を要石に必要だと嘘を吐き目的の勇者が一人になったところで拉致する作戦を立てた。

 結局はそれも失敗に終わり現在に至っている。

「──あなたたち」

 ミレアは愕然としたあと、呆れるやら情けないやらで深い溜め息を吐き大きく肩を落とした。

「彼らの愚痴を鵜呑みにするなど」

 なんたる愚かなことをしたのです。

「なんですと!? 愚痴!? し、しかし。用事があるとき以外は魔法を使うなと命令されたと──」

「それは命令じゃないよ。魔法は精神力を使うから、業務以外ではなるべく使わないようにしてねってお願いだよ」

 凄く疲れるんでしょ? 見てても辛そうなの解るよ。

「そんなはずは──」

 気遣うマノサクスの声色に魔導師たちは戸惑いを隠せない。