クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

 
 ──夕刻、太陽は傾き夕闇の訪れを迎えるべく、集落に篝火(かがりび)が灯される。

 一人、広場にいたリュートのもとにベリルが戻ってきた。

「着替えたのか」

「ひとまずだがね」

 急ごしらえなのか、縫い目は少し粗く感じた。ベリルは、服を作ってくれるようレキナに頼んでいたのだ。

 それが完成するまでのものらしい。

「ナイフでは心許(こころもと)ない。弾薬(カートリッジ)に限りがある以上、ハンドガンには頼れない」

 腰に()げた剣を見たリュートに応える。

「カートリッジ? ハンドガン?」

 聞き慣れない言葉に眉を寄せた。

 ベリルは右太もものレッグホルスターに収められている黒い塊を抜き出し、グリップから弾倉(マガジン)を外して中に入っている真鍮(しんちゅう)の細長い金属を一つ、手に取る。