「返すのをすっかり忘れていた。彼らにも有効だとは幸運だった」
「そうか」
恐ろしいほどの強運の持ち主だな。最終的にこいつのそこが、勇者にひっかかったんじゃないのかとリュートは呆気にとられた。
「くそ」
「こうなれば仕方ない」
「痛くても文句言うなよ」
悔しげに声を荒らげ、魔導師たちは魔法を唱え始めた。
これはまずい。攻撃魔法を放つつもりだ。セルナクスとマノサクスが未だ戸惑っている様子を横目に、ベリルとリュートは身を低くして飛び込む体勢に入る。
そのとき、
「お前たち! 何をしているのです!」
「ミレア様!?」
割って入った小柄な影に魔導師たちは驚きつつも軽く会釈した。どうやら、彼らにとって高い地位にある者らしい。
「──ミレア?」
ベリルは、その名に複雑な表情を浮かべた。かつて、自分を不死にした者と同じ名だとは奇妙な偶然だ。
「彼らが何をしたのか、教えて貰えないだろうか」
現れた魔導師はベリルに向き直り、目深に被ったフードを取り払う。
紺藍色のフードからこぼれる銀色の髪は輝きに満ち、尖った耳に愁いを帯びた瞳はアメジストの如き透明感を湛えている。
シンプルだが美しい銀細工のサークレットが彼女の存在感を際立たせていた。
「そうか」
恐ろしいほどの強運の持ち主だな。最終的にこいつのそこが、勇者にひっかかったんじゃないのかとリュートは呆気にとられた。
「くそ」
「こうなれば仕方ない」
「痛くても文句言うなよ」
悔しげに声を荒らげ、魔導師たちは魔法を唱え始めた。
これはまずい。攻撃魔法を放つつもりだ。セルナクスとマノサクスが未だ戸惑っている様子を横目に、ベリルとリュートは身を低くして飛び込む体勢に入る。
そのとき、
「お前たち! 何をしているのです!」
「ミレア様!?」
割って入った小柄な影に魔導師たちは驚きつつも軽く会釈した。どうやら、彼らにとって高い地位にある者らしい。
「──ミレア?」
ベリルは、その名に複雑な表情を浮かべた。かつて、自分を不死にした者と同じ名だとは奇妙な偶然だ。
「彼らが何をしたのか、教えて貰えないだろうか」
現れた魔導師はベリルに向き直り、目深に被ったフードを取り払う。
紺藍色のフードからこぼれる銀色の髪は輝きに満ち、尖った耳に愁いを帯びた瞳はアメジストの如き透明感を湛えている。
シンプルだが美しい銀細工のサークレットが彼女の存在感を際立たせていた。



