少し遅れてマノサクスとリュートたちが追いつく。リュートは飛び降りざまに剣を抜き、ボナパスの注意を自分に向けさせた。
「ベリル!」
ティリスはベリルに駆け寄り、目の当たりにしたその姿に思わず両手で口を塞ぐ。服は真っ赤に染まり、おびただしい量の血が流れたのだと容易に想像できた。
こんな状態でも生きている。死ぬはずの痛みにも耐えていたであろうベリルのこれまでを思うと体が震えた。
「ティリス」
「なに?」
「奴は私に執着している。これは好機だ」
噛みついたときを計って魔法を放て。
「っ!?」
ベリルの言葉に目を見開く。
それはつまり、ベリルごとボナパスに魔法を撃てってこと?
「時間をかけてはいられない」
「そんな……」
どうして? どうしてそんな風に言えるの?
「──や」
聞こえた、か細い声にティリスを見下ろす。



