──疾走するボナパスに咥えられたままのベリルは続く痛みに耐えていた。
「ぐ──っう」
どこに連れていこうというのか。
ベリルは震える手でショルダーホルスターからハンドガンを抜き、自分を咥えている顔に銃口を向けて引鉄を絞った。
ボナパスは破裂音と共に右目に激しい痛みを受けて反射的にベリルを投げ捨てる。
「ベリル!」
ひと足早く追いついたセルナクスが、慌ててベリルの元に降り立った。
「がは──っ」
大量の血を吐いたベリルに気が動転し肩を掴むが、それを払われる。
「奴から目を離すな」
「しかし──」
こんな状態で放っては置けないと再び掴んだベリルの腕は痛みで震えていた。当然だ、腹にはいくつもの大きな穴が空いているのだから。



