──空を見ていたコルコル族の一人が幾つもの小さな点を見つける。

「レキナ! あれ!」

 集落はそれを合図に沸き立ち、呼ばれたレキナは仲間が示す方向を仰いで目を凝らした。

「戻ってきた」

 徐々に近づいてくる影にラトナは安堵の表情を浮かべる。

「良かった」

 レキナはほっと溜息を吐く。ベリル様ならきっと助け出してくれると思っていたけど、やっぱり心配だった。

「ティリス様だ! ティリスさま~!」

 先に見つけた姿にコルコル族たちは大きく手を振る。

「あ。みんな!」

 ティリスはレキナたちに同じく手を振り返す。それほど長く離れていた訳じゃないのに、何故だかとても懐かしく感じた。

「レキナ!」

「おかえりなさい」

 ティリスは再会の喜びにレキナを抱きしめる。

 本来ならリュートが怒りそうなものだが、レキナたちの容姿ではむしろ可愛さしかないので逆に顔が緩んでいた。