「べりるー」

「べりるー」

 何故だか子どもたちの人気者となったベリルは、困惑しながらも腰を落とした。

「ぽよ」

「ん?」

 ぽよ?

 すぐ左に気配を感じて目線を提げると、笑顔で見上げてくるピンク色をした半透明の物体に眉を寄せた。

「スライム?」

 ピンク色をしているが、おそらくはスライムだ。しかし、スライムといえばモンスターではなかったか。

 あまり強いとは思えない。しかし油断は禁物だ。見た目の質感から衝撃にはある程度、耐えられそうではある。

 そのスライムから好意的な視線を向けられているという不可解さに、ベリルの思考は混乱していた。

「ぽよ~」

 仔犬の如くすり寄られ、ますます困惑する。