──リュートは、装備していた武器をナイトテーブルに乗せていくベリルの様子を眺めていた。
配慮してか、いつも身につけている黒い塊が見当たらない。
「あんたの世界では、あれを持っている者は多いのか」
「ん? ああ」
ハンドガンやライフルの事かとベッドに腰を落とす。
「そうだな。手に入れるのは容易い」
「もっと強力な武器も──あるのか」
レイノムスの質問をはぐらかしていた事を思い起こした。
魔法すら持ち合わせていない事から、強力な武器を所持していると推測したレイノムスには半ば感心している。
ベリルはリュートを一瞥したあと、
「一度に数百万の命を奪う事が可能なものもある」
それにリュートの目は大きく見開かれた。だから、俺の力に驚かなかったのか?