評議会の決定もマノサクスの行動も、その一つだ。視点が違えば立ち位置も変わる。どちらが悪とも正義とも言い切れない。
故に、他者に犠牲を強いた事に怒りを感じても、ベリルにそれを責める感情はなかった。
仮にセルナクスがそれを実行していたならば、ベリルは己の意思で彼らに対する何かしらの行動を起こしていたかもしれない。
「客間を用意した。今夜はぐっすりと眠られよ」──三人はレイノムスと別れて部屋に案内される。
ベリルとリュートは同室を宛がわれ、ティリスは別室に促された。
とはいえ、壁を隔てた隣の部屋なのでリュートはそれに安堵する。室内は丁寧に整えられており、それなりに特別な客向けの部屋だと窺えた。
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