──食事の間はあまり会話もなく、食べ終えるとティータイムに入る。
出されたティカップを傾けると、ダージリン・ティーと違わぬ風味が口の中に広がり、ベリルは感心すると共にその香りを楽しんだ。
レイノムスは意外に好奇心が強いのか、ティリスたちやベリルの世界についてよく質問をした。
けれどベリルは武器についての質問には一切、答えなかった。
ベリルには特殊な力が無い事を聞き、それならば強力な武器を持っているだろうと考えてのものだろう。
自身の世界でさえ持て余している兵器を、余所の世界に持ち込む事は出来かねる。道具は使う者次第と言えども、全てを善し悪しの境界線で引ける訳ではない。
使う者が正義の意思のもとで使用しても、別の視点では悪になる事など珍しくはない。むしろ、そうである事が必然とも言える。