クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「貴殿の助力で大陸は救われた。本当になんと礼を言っていいか」

 それにベリルは軽く手を上げて応える。

 最も大きな部屋はリュートが破壊したことにより現在は修復中であるため、一同はこぢんまりとした部屋で食卓を囲んでいた。

 謝罪を兼ねての晩餐(ばんさん)は、レイノムスとの初対面時とは打って変わって(おごそ)かに進められた。

 ティリスは見るからに美味しそうな料理を見やり、笑顔でナイフとフォークを手にする。

 今回の貢献者をセルナクスがレイノムスに報告したため、それを(たたえ)えて席を用意されたマノサクスは、どうして自分がここにいるのか解らないと目を白黒させていた。

 セルナクスは居心地が悪くて目を泳がせているとふと、視界に入ったベリルを凝視した。

「おお……」

 ものすげえ上品だなおい。そりゃまあ、これだけ綺麗なら納得いくけど。

 戦場ではマナーなどに構ってはいられないが、こういう席でのベリルは染みついた癖とでも言おうか、幼少の頃に学んだ食べ方が自然と出てしまう。