クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「口に入れてもらえるか」

「え!?」

 それに驚き伸ばした手を引っ込めて一歩、後ずさる。

「そんなの食べるの?」

 さすがにそれはと苦笑いを浮かべた。

「早くしてもらえんかね」

 体内の構築に衣服や装備を使われかねない。ここで裸体を披露するつもりはない。

「でもさ~」

 リュートはふと、小銭を入れた袋の中に渡し忘れていた空薬莢(からやっきょう)がある事を思い出し、それを手にしてまごつくマノサクスの間から手を伸ばした。

「お」

 ベリルは真鍮の小さな筒が視界に入り、顔を少し右に向け放り込まれた空薬莢をどうにか飲み込んだ。

 動いたせいでバランスを崩してしまい倒れかけたとき、伸びてきたセルナクスの腕に抱き留められる。