クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「大丈夫か」

「しばらく動けそうにもない」

 本当に動けないのか、声だけをセルナクスに返した。

「あたしの力が必要?」

「そうしてもらいたいのは山々なのだがね。そういう問題でもなさそうだ」

 気遣うティリスにも声のみで対応する。

「外側を維持するだけで精一杯でね」

「え?」

「骨格以外はスカスカだ」

 体を維持するため、内部の組織をエネルギー化して要石に吸収させたようだ。これがベリル本人の意思で出来るものではない事が厄介である。

 内臓はすぐに構築されたようだが、筋組織は状態を保つだけの分しか残っていない。

 なんとかバランスを取っているものの、このままでは崩れてしまう。死ぬ事はないが、かなりきつい。

「すまないが、腰の袋にある金属を一つ頼む」

「え? 何するの?」

 マノサクスはひとまず触れないように傍に寄る。