クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「人間のくせに、やるもんだ」

「勇者だよ」

「は?」

 マノサクスに顔をしかめる。

「ベリルは勇者」

「なんだって?」

 実は三人いる事を告げられたセルナクスは目を丸くしてベリルに視線を落とした。

 なるほど、だったら頷ける。これまで人間に負けた事がない訳ではないが、これほどの妙技には出会ったことがない。

「しかし、勇者という割には凄いパワーがあるようには見えないな」

「私も未だに疑問ではある」

 私にそのような力はない。

 皮肉交じりに言ったはずが、勇者本人からの言葉にセルナクスは絶句した。

「あの」

 ひとまず落ち着いた空気にティリスは戸惑いつつ口を開く。

「本当に、この大陸は落ちるの?」

 不安げなティリスの瞳にセルナクスは目を伏せる。