「リュート!」
ティリスの声は風の音にかき消され、魔族化による力の暴走で近づく事もままならない。このままでは、傷つくのはリュート自身だ。
なんとかして止めないと──!
「化け物だ」
言った兵士をぎろりと睨み付ける。
「どうすんのこれ!? このままじゃ怪我人どころじゃないよ!?」
マノサクスは頭をかばいながら悲痛な面持ちでベリルに助けを求めた。本当は翼を守りたいけど、今は折りたたんで小さくなるしかない。
「仕方がない」
ベリルは立ち上がり、手にしたダガーをリュートに投げつける。
鋭い切っ先は真っ直ぐにリュートに向かうがしかし、激昂していてもそんなものに気付かないほど愚鈍ではない。
素早く反応し、邪魔をするなと鋭くベリルを睨みつつ、迫り来るダガーを剣で弾いた。
瞬間、ダガーから青白い光が放たれ、渦を巻いていた風がぴたりと止まる。リュートは気を落ち着けたのか、落下する物体越しにベリルを見つめた。
ティリスの声は風の音にかき消され、魔族化による力の暴走で近づく事もままならない。このままでは、傷つくのはリュート自身だ。
なんとかして止めないと──!
「化け物だ」
言った兵士をぎろりと睨み付ける。
「どうすんのこれ!? このままじゃ怪我人どころじゃないよ!?」
マノサクスは頭をかばいながら悲痛な面持ちでベリルに助けを求めた。本当は翼を守りたいけど、今は折りたたんで小さくなるしかない。
「仕方がない」
ベリルは立ち上がり、手にしたダガーをリュートに投げつける。
鋭い切っ先は真っ直ぐにリュートに向かうがしかし、激昂していてもそんなものに気付かないほど愚鈍ではない。
素早く反応し、邪魔をするなと鋭くベリルを睨みつつ、迫り来るダガーを剣で弾いた。
瞬間、ダガーから青白い光が放たれ、渦を巻いていた風がぴたりと止まる。リュートは気を落ち着けたのか、落下する物体越しにベリルを見つめた。



