「そうだけど」
これまでも何度か言い合いをしてオレは結局、何も言い返せなかった。それに代わる方法が思いつかなかったし、魔導師の言葉に逆らう理由も見つからなかったから。
でも、他に方法があるかもしれないって思って、実行を遅らせたかったんだ。この世界の人間じゃないのに、どうしてその負担を背負わせなきゃいけないんだよ。
その見返りは用意するって言うけど、そんなのおかしいだろ。
「解ったなら出て行け」
「セルナクス」
低く凜とした声に呼ばれて振り返る。
「そこに座らせていなさい」
五十代前半の男性は静かな口調で命令した。白髪交じりの銀の髪を後ろで束ね、立派なブラウンの翼が威厳ある人物であることを表している。
評議長レイノムスだ。まさに、マノサクスから聞いていた通りの風貌にリュートは眉間のしわを深く刻んだ。
†††
これまでも何度か言い合いをしてオレは結局、何も言い返せなかった。それに代わる方法が思いつかなかったし、魔導師の言葉に逆らう理由も見つからなかったから。
でも、他に方法があるかもしれないって思って、実行を遅らせたかったんだ。この世界の人間じゃないのに、どうしてその負担を背負わせなきゃいけないんだよ。
その見返りは用意するって言うけど、そんなのおかしいだろ。
「解ったなら出て行け」
「セルナクス」
低く凜とした声に呼ばれて振り返る。
「そこに座らせていなさい」
五十代前半の男性は静かな口調で命令した。白髪交じりの銀の髪を後ろで束ね、立派なブラウンの翼が威厳ある人物であることを表している。
評議長レイノムスだ。まさに、マノサクスから聞いていた通りの風貌にリュートは眉間のしわを深く刻んだ。
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