クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「わお」

 二人ともすげえ。

「連携ばっちりじゃん」

 他の部屋はたぶん誰も使ってないから、そこに放り込んじゃおう。

 マノサクスの言葉通り、二人を縛って右側の扉を開けると部屋は真っ暗で誰もいないようだ。

 そうして、マノサクスは目指す部屋を指差した。

「ここは評議会がよく使う部屋なんだけど、中は広いから護衛とかも一緒にいると思う」

「なるほど」

 ベリルは唸り、正面からの侵入は不味いかと他の扉にするか思案した。

「こっちの扉は入りやすいと思うよ」

 マノサクスはそう言って左の廊下を進み、角で右側をちらりと覗く。当然そこにも警備はいて、先ほどと同じ方法で倒した。

「中に入ってすぐの所についたてがあるよ。オレが気を逸らすから、その隙にそこに隠れて」

 ずるずると縛り上げた警備を引きずって説明する。随分と協力的だが、あれは割り切ったか投げやりになったかのどちらかだろう。

 ひとまず、いつでも飛び込めるように開けた扉の隙間から中の気配を探りつつ、マノサクスの合図を待つ。