「はーい。一丁上がり!」

 マノサクスは毎度のあっけなさに、もはや慣れてきた。倒れた男を縛り上げ、軽快なリズムで空いている牢に放り込む。

「うん?」

 ベリルはふと、リュートがいた牢にだけ不思議な文様の描かれた丸い物が取り付けられている事に気がつく。

「ふむ」

 なるほど、ティリスが関わっているというのに、まるで動きがない事に疑問だったが、これがリュートの力を封じていた訳か。

「えー……と」

 マノサクスは睨みつけるリュートに困って目を泳がせる。

「悪かったよ。でも、オレは評議会の決定を疑問に思ったから、知らせに行ったんだぞ」

 オレが悪い訳じゃないのに、なんで怒られてるの。

「手遅れだったがね」

 決断は早めに願いたいものだ。

「うう」

 痛いところを突かれてぐうの音も出ない。




†††