「何故、把握していない」

「あれを気にする生活なんて送ってないよ」

 オレは今まで何も悪いことしてない。

「ならば堂々と入ってみるかね」

「……。やめとく」

 ごめんなさいと監視塔を気にしつつ大陸に近づいた。

 ようやく足の下に大地が見えてベリルは十メートルの高さを確認し、マノサクスと接続されていたバックルを外す。

 背後でマノサクスの叫びを耳にしながら降下した。

「いきなり外すなよ! バランス崩して危ないだろ。見つからないようにしないといけないんだから、そんな派手に降りるなよな」

「ここはウェサシアの東南か」

 前にかけていたリュックを背中にかけ直しマノサクスに確かめる。

「よく解ったな。そうだよ」

 あれだけの説明で位置を掴んだベリルに感心する。