──ベリルは作成した工具をまとめると、次は剣やナイフの手入れを始めた。今回、ハンドガンなどは携帯せず、一つを除いてこの世界の武器のみで対応する。
リャシュカ族の文化水準から鑑みて、目に触れさせること自体、危険だと判断した。
「魔法は使えるか」
「え? オレは戦士だから無理だよ」
「ステムに頼むか」
小さく溜息を吐き、メイジたちが集まる集会場に向かう。
「これに魔法を?」
ステムにナイフを数本、示すと難しそうな顔をした。
「出来るか」
「断言は出来ませんが、やれるかもしれません」
小さく唸り、慎重に答えた。
タリスマンなどの作成とは異なり、攻撃を目的とした魔法を武器に付与するなんて事は今まで考えたこともなく、渡されたナイフを一本一本、じっくりと眺める。
「頼む」
ベリルは追加で腰の剣を抜いて手渡した。
ティリスには剣にも魔法を付与してもらっていたが、魔法の武器として製作されたものではないため固定は出来ず、付与されていた魔法は消えかかっていた。



