クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「まだあるか」

「ありますよ」

「食べる! 欲しい!」

 ベリルの問いに答えたレキナに即、次を要求する。まだあると知って嬉しいのか、マノサクスはフォークを握ったまま目を輝かせている。

「持ってきます」

 レキナは立ち上がりロールケーキを取りに向かった。

「気に入ってもらえたようで何よりだ」

「うん。美味いよこれ」

 料理上手の勇者──ありかもしれない。凄く綺麗だし。

「翼はどうか」

「え?」

「怪我はないか」

「うーん」

 白にブラウンの斑点がある、まるで鷹を思わせる翼を動かしてみる。

「多分、大丈夫だと思う」

 思っていたより傷ついてはいないようだ。

「そうか」

 ベリルは聞いて酒を飲み干し、どこかへ行ってしまった。