──ほどなく、マノサクスは目の前に置かれたロールケーキを呆けた顔で眺めた。
「食べると良い」
先ほどの険しい表情とは違い、少し和らいだベリルの面持ちにほっとして、勧められたものに改めて視線を降ろす。
「糖分は疲労した体に良い」
酒を傾けてマノサクスに促した。
初めて見る食べ物に戸惑いつつも、甘い香りにごくりと喉が鳴る。確かにお腹は減っているけど、なんだこれ。
周囲を見れば、子供たちが美味しそうにそれを頬ばっている。マノサクスは怖々と小さく切り分けた欠片を口にした。
「え。なにこれ。美味い」
ふわふわの生地と甘いクリームが見事に口の中で合わさって絶妙な味わいと食感! これは最高に美味い。
マノサクスは厚めに切られたロールケーキをぺろり平らげた。



