「要石?」
ベリルはいぶかしげに聞き返した。
「ウェサシスカの浮遊を支える要石にヒビが入って、それを直すには強力な力を持つ者が必要らしい」
マノサクスはコルコル族からもらったジュースを飲み干し、二人を連れ去った理由を説明した。
改めてベリルを見れば整った容姿に目が釘付けになるも、その表情は無く未だ怒っていることに身が竦む。
オレは止めに来た側なのに、なんか理不尽だ。そりゃまあ、それなら本気で止めろと言われたら何も言えないんだけどと半べそになる。
さすがにベリルもそこまでは言わないものの、普段から無表情であると知らないマノサクスが怒っていると勘違いしても仕方がない。
「リュート様とティリス様が必要だと、魔導師が言ったんですか?」
レキナは驚いて問いかけた。