「組織を調べてみたが、ガルムやキャノムとよく似た部分が確認出来た」

 シャズネスの魔女は実体のあるモンスターだったが、明らかに生物とは異なる事が見て取れる。

 けれど、ボナパスはモンスターというよりも生物としての印象が強く、それでいて意識はモンスターと似通っている。

「何が言いたい」

 リュートは結論ありきの言葉に顔をしかめた。

「あれは何者かに作られた生物の可能性が高い」

 それにレキナたちはどよめく。

 ボナパスに集落を襲われたけど、確かに食べられた仲間はいない。みんなが逃げ込んで誰もいなくなったら去って、しばらくしてまた襲いに来るを何度も繰り返していた。

「この世界ではそういう存在も一般的にいるのだとすれば、私の見解が間違っている事になるが」

「いいえ! ボナパスのような奴は初めて見ました」

「辞書にも、そんな系統の生物は載っていません」

「僕たちはてっきり、モンスターだとばかり……」

 ベリルは愕然とするレキナたちを見やり、

「そうなると申し訳ないのだが」

「何かあるんですか?」

 重々しい口調にラトナは身構える。