クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「そのメイジとやらの意識に多少なりとも、影響される可能性はありそうだが」

 思案するようにベリルは小さく唸る。

 リュートは、そんなベリルをいぶかしげに見やる。うっすらとだが、その口元には笑みが浮かんでいた。

 初めて会ったときから、こいつはこの状況を楽しんでいるんじゃないかと思っていた。

 確かに偶然、俺たちは呼び出されたのかもしれない。メイジの意識が影響している可能性も無いとは言えないだろう。

 何故なら、こいつは確実に闘える能力(ちから)を持っている。俺にはそれが解る。体つきからすると戦士のようだが、ざっと見て剣は持っていない。

 あちこちにベルトで黒い塊が収められている。それが何なのか想像がつかない。ナイフが唯一の武器のようだが、黒い塊に秘密があるのだろうか。

「ベリルって、何歳?」

 リュートはどうして年齢を尋ねる必要があるのかと疑問に思いつつ、彼女なりの仲良くなるきっかけ作りなのだろうとコップを手にして喉を潤す。

「ん?」

 唐突な問いかけにベリルは数秒、間を置いた。