ベリルが持ち替えたハンドガンに込められていたのは、ホローポイントと呼ばれる弾薬だ。
先端に穴があいていて、当たった弾丸はキノコ状につぶれ体内にめり込んでから砕ける事もある。
貫通せず体内を暴れ回るもので拡張弾とも呼ばれる。必要以上に苦痛を与えるとして戦争では使用禁止とされている。
ベリルはそれを、もしもの時のために数発だけ装填していた。
ホローポイントは戦争以外の使用は禁じられていない。そのため、一般に市販されている。
そも、これ以上に強力な武器があるにも関わらず禁止している事には、いささか滑稽とも思える。
「これで終わりだな」
「完遂だ。ああ」
馬車に向かおうとしたリュートたちを呼び止める。
「すまないが。こいつを拾ってくれないか」
言って、空薬莢を示した。



