クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「かなり怒らせてしまったらしい」

「気楽に言うな」

 呆れて何げに口元を緩ませる。

 この緊張感のなさに余計な気を張らずに済んでいる。なるほど、上手いやり方だ。

「弱ってはいるがまだ速い」

「よし」

 リュートは足を狙うべく駆けたがしかし、ボナパスはベリルに向かって突進した。破壊された頭から血をまき散らし、それでも巨体を唸らせている。

「戦闘車両に追われている気分だ」

 経験が無いとも言えない自分に渋い顔をする。

 そうしてベリルは持っていたハンドガンを仕舞い、左のバックサイドホルスターから別のハンドガンを手に取った。

 すぐさま反転してボナパスに向かっていくベリルにリュートは素早く反応し、今にもベリルをかみ砕こうとするボナパスの左後ろ足を力の限り斬りつける。