「どうか」

 そこにベリルが戻ってくる。

「どっちの頭が砲台だと思う」

 問いかけて血に濡れたベリルの服を一瞥し、ボナパスの威嚇(いかく)畏縮(いしゅく)することなく剣を構えた。

「解れば苦労はしない」

 それもそうかとベリルの言葉に納得し魔獣の動向に注視する。

「とはいえ、耐久テストをするつもりはない」

 ここらで致命傷を与えたい。奴の体力が途絶えるのを待っていられるかとベリルは言い放ちポケットから何かを取り出す。

「なんだそれは」

 空薬莢(からやっきょう)をぽいと口に放り込んだベリルに、リュートは眉間のしわを深く刻んだ。




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