動物に対して正確な感情は読み取れないとしても、視線を合わせることで喜びや親しみ悲しみ、恐怖や怒りといった漠然とした感情ならある程度、読み取ることが出来る。
ボナパスの心の隙間を探ろうとしたがそれも不自然なほど敵わなかった。
「……そうか」
そんなことで焼かれる所だったんだぞ。こいつはそれを理解しているのかと呆れて眉を寄せる。
「これまでの攻撃が効果がない訳ではない」
続ければ倒れるだろう。
「こちらに被害が出なければの話だが」
持久戦に持ち込む事は出来るならば避けたい。けれども、そうするしかない。
「このまま続けてくれ」
「おい!?」
ボナパスに向かっていくベリルに何をするつもりなのかと見ていると、振りかぶる爪を避ける事もなく弾き飛ばされた。
リュートは仕方なく、ボナパスの相手をするため剣を構える。



