接近するときに銃創を確認し、思ったほどのダメージではないものの効果はあるらしく傷口から赤い液体が流れ出ていた。

「三発、撃ち込んであれか」

 どれだけ頑丈なのかと眉を寄せる。

 ティリスの魔法が付与されていなければどうなっていただろう。恐ろしさを感じながらも、同時に、強い相手が目の前にいる事に高揚感を覚える。

 湧き上がる感情に笑みが浮かび、離れた場所からでも解るほど輝いている瞳にリュートはぎょっとした。

 あいつは何故、こんなときに笑っている。何を楽しんでいる。まだ、あんな顔があったのか──あいつには一体、いくつの顔があるんだと背筋がやや冷えた。

 ベリルは向かってくるボナパスにショットガンを放ち、(ひる)んだ隙に距離を離す。