──数日もすればボナパスの棲む洞窟がある林にたどり着く。そこで、作戦の周知と事前の確認作業を行う事になった。
「こちらが先に奴を見つける事が重要だ」
幸いにも全員、視力が良い。
ベリルは言って、荷馬車に積んである一メートル三十センチほどのライフルを手に取る。
「それはなんだ」
いつも身につけている黒い塊に似ているが随分とでかいし長い。
「対物狙撃銃。AS50」
「アン……?」
「名前は気にするな」
困惑しているティリスに苦笑いを返す。
「こんな物を振り回すのか」
「これは振り回すものではない」
ハンドガンと同じような使い方だとざっくり説明する。
そりゃまあこれだけの重量なら当たれば痛いだろうがと顔をしかめつつ、弾倉ごと弾薬をティリスに渡して魔法の付与を頼んだ。