──ラトナが狩ってきた兎をベリルがさばき、兎のスープとヒャノの干物で昼食を済ませ、ベリルはボナパスの絵を眺めた。
「ふむ」
「炎を吐くのよね」
ティリスは小さく唸るベリルに応えた。
作戦会議が始まって、対象に近づいているという緊張感が徐々に湧き、自然と手に力がこもる。
「これは推測なのだが──」
ベリルはボナパスの頭部を示し、
「どちらかが主導権を握っていると見ている」
「主導権?」
リュートが聞き返した。
「頭は二つだが体は一つなのだ。上手く動けるとは思えない」
「つまり、どういう事?」
「どちらかが偽物という事か?」
「砲台の可能性がある」
「砲台、ですか?」
レキナが首をかしげる。