クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「何よ! 何がいけないっていうの?」

「誰にでも懐くな。敵が出てきたらどうする。お前がよりかかっていたら動けない」

「ベリルなら、そういう時は気兼ねなんかしない」

 こいつはまずい。私が元で喧嘩をしているようだ。森での出来事から二日は経っているというのに、今頃どうしてそんな話になっている。

 ふとした会話からそちらに発展でもしたのだろうか。

「ベリル、なら?」

 ぴくりと眉を寄せる。

「お前は──。っ!?」

 声を張り上げた瞬間──足に何かがぶつかったと感じてすぐ膝が折れ、そのまま地面に倒れ込む。

 何が起きたと足に目を向けると、ベリルが笑顔で寝そべっていた。

「おや、足は弱いのか。まだ若いのに」

 リュートは、こっそり近づいて足払いをしたくせにと怒鳴りかけたが、おちょくられ続けている事もあって怒るのが馬鹿馬鹿しくなった。

 いちいち相手をしていられるか。