クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

 
 ──朝、目覚めた一同は目的地に向かうべく旅支度を始めた。心なしか、リュートの視線が鋭くベリルに送られている。

「あの。ベリル」

「うん?」

「ごめんなさい。あたし、あのまま寝ちゃって」

 ティリスは遠慮がちに発してベリルを見上げる。

「ああ、構わんよ。同じ体勢で寝るのは慣れている」

 向けられる思慕の念に小さく笑い、遠ざかるティリスを見送りつつ目を据わらせる。

 だから。これは違うというのに──ベリルは背後からの激痛よろしくなリュートの視線に頭を抱えた。