あまりフォローになっているとは思えないし、これだけ男がいる所に現れるほど愚かでもないだろう。

 何より、あれだけ殺気を振りまく奴がいて近づこうと思う者がどこにいるのか。ベリルはリュートに呆れつつも口角を吊り上げた。

 森を取り巻く神聖な空気に、心なしかティリスの表情は明るい。

 神官戦士である彼女はもちろん、神に仕えているからこそ、その力を使う事が出来る。

 この世界においてそれが可能なのかと尋ねると、弱くはなっているものの使えるようだと答えた。

 召喚されたときに次元が裂けたままで、彼女たちの世界と未だ通じているのかもしれない。

 弱まっているという事は、裂け目が小さいのだろう。流れてくる道が狭く、彼女の力を制限している。

 戦士というだけあって、剣の技にも長けている。

 訓練にと手合わせをしたところ、並大抵の腕ではなかった。真剣にやり合えば私が負ける可能性が高い。

 これほど強くなったのは、よほどの志があったのだろうか。