クライシス・ゾーン~翡翠の悪魔~

「そういえば。村にいたとき、確かお前は風呂場を──」

「俺は普通の人間じゃない」

「今さらな事を」

 そんな事は初めから解っていると不満げに顔をしかめる。

「ティリスとは、違う力を持った人種だ」

 初めから普通じゃないと解っていたのにその態度はなんだと眉を寄せる。

「どんな人種だ」

 未だ思い惑うリュートに目を眇め、

「風呂場」

「──っ卑怯だぞ」

 脅迫めいた言葉をささやかれ、リュートは悔しさにベリルを睨みつけた。

「さて、何のことやら」

 堂々ととぼけやがって。いつか見ていろ。

「ねえ。さっきから、お風呂場がどうしたの?」

「いいから、お前は黙っていろ」

 知られるとまずい。ビクつきつつも、強い態度でティリスをはねのける。しかしどうだ、目の前にいるベリルの口元が薄笑いを浮かべているじゃないか。