しばらくして三瀬が戻ってきた。
三瀬は警察が居る事に気付いたようだが、逃げようともせず此方に歩み寄ってきた。

「久しぶりね、三瀬」

「すみません。また、お世話になります」

そう言って、両手を突き出した。
伊井田はその手に手錠をかける。
そのまま三瀬を刑務所へ送り、事情聴取の結果、仕事上のトラブルにより中内彰を殺害した、と証言した。
三瀬は、3年は刑務所を出られないという。
その後、天宮と伊井田の2人で警視庁に帰った。

「天宮さんって三瀬と仲がいいんですか?」

帰りの車の中で伊井田が口を開く。

「何故そう思うの?」

天宮は直ぐには答えない。

「三瀬の言ってた、すみません、が引っかかるんですよ。天宮さん自身に言っているようで、、、」

「私の癖で逮捕したら犯人に、生まれ変わりなさいって一言言うの。クサイ台詞でしょ?」

伊井田はブンブンと首を横に振る。
それを見て天宮は、

「ありがと」

と言っった。唇は曲線を描いている。
しばらくして車は警視庁に到着した。

「三瀬隆一逮捕しました」

2人は声を揃える。
西野課長は、

「よくやった」

と言って、珈琲を2つ持ってきてくれた。