「大金持ちの心臓、、、」

また伊井田が呟く。

「今回の心臓と言うのは何かの譬えじゃないか?」

顔を上げた西野課長が言った。

「でも本物の心臓の可能性も無いとは言えません」

天宮が意見する。

「それじゃぁ、その二通りあると視て調査を進めてくれ」

西野課長の指示により、黒猫の残した謎を解く事になった。

「先ずは“大富豪”が誰なのか、何なのか。これを調べましょう」

天宮は一番の謎とも言えるモノを自ら調べると言い出した。
勿論、パートナーの伊井田は強制だ。
しかし伊井田は反論する。

「ちょっと待って下さい。黒猫は三瀬が部下だって言っていたんですよ?だったら明日三瀬の所に黒猫について、聞きに行きましょうよ」

確かに。
事件予告ばかりに気を取られ、三瀬が部下だということを忘れていた。

「それもそうね。では私と伊井田で明日、三瀬の所へ行ってきます」

天宮は伊井田に同意した。

「では頼んだ。残りの者で謎を解いて待っている。良い報告が聞けるのを楽しみにしているよ。では、今日はこれで解散。お疲れ」

西野課長の許可が出た。これで黒猫の尻尾を掴む事が出来るかもしれない。