今は警視庁で珈琲を飲んで休憩中。
鑑識達はS美術館に残って手懸かりを探している。
西野課長は天宮達と同じ部屋に課長用のデスクが設けられているので、今はそこに座って静かに珈琲を飲んでいる。

部屋では珈琲を啜る音以外何も聞こえず、誰一人として口を開こうとはしなかった。
そんな沈黙の中、課長用デスクの電話が鳴った。

「此方港区警視庁」

西野課長は電話に出ると直ぐに録音ボタンを押し、スピーカーに切り替えた。

『予告通りブルージルコンは頂戴しましたゎ』

この女王様気取りの喋り方で黒猫だと一発で判った。

『刑事さん達が馬鹿なお陰で簡単に盗む事が出来たゎ』

「わざわざそんな事を言う為に電話してきたの？」

天宮は静かに問いかけた。

『そんなぁ、感謝と予告ですゎ』

その一言で部屋中が一気に凍りついた。

『２日後、４つの丸が３つに変わる時、大富豪の心臓を頂くゎ』

「心臓？」

伊井田が呟く。

『、、、あっ言い忘れてた。三瀬、私の可愛い部下だから。あんまり意地悪しないでね。それじゃぁ』

ブツリと電話が切れた。