天宮は言葉に詰まった。
何故なら伊井田が少し俯いて見えたからだ。

「もう決まった事なんだ。今日から二人で頑張ってくれよ」

西野課長はまた天宮の肩を叩いて部屋を出て行ってしまった。

「頑張ってって、、。あっ、別に貴方が嫌って訳じゃないから。誤解しないでね」

「良かったぁ」

伊井田は胸をなで下ろし、微笑んだ後、

「あの、、ずっと一人でやってたんですか?」

そう続けた。

「色々あってね、、、」

天宮は苦笑いをした。

「僕に、、話して頂けませんか?」

西野課長は一度決めた事はけして曲げない性格だ。きっと何を言ってもパートナーは代わらないだろう。これから伊井田がパートナーなら、いずれ話さなくてはならないと思い、過去の事件について話す事にした。

「実は、、、」

天宮が口を開くと、それを遮る様に勢いよく後ろの扉が開いた。

「自己紹介、頼むよ」

西野課長だった。

「じゃあコノ話はまた今度」

「すみません。失礼します」

伊井田はペコリとお辞儀をして西野課長の元へ行ってしまった。
課長の部屋に一人。
天宮も部屋を出る事にした。
部屋を出ると、事件現場で顔を合わせる鑑識の徳井和彦(トクイカズヒコ)と杉本司(スギモトツカサ)が居た。

「お、課長に呼ばれるなんて何かやらかしちゃった?」