『闇に光り輝く時、S美術館に宝石を頂戴しに行くわ。どの宝石かは刑事さん達が捜すのよ}』
「解る訳ないじゃない!貴方は一体誰なの!?」

天宮は電話に向かって叫んだ。

『そうねぇ。“黒猫”とでも言っておこうかしら』

「黒猫?ふざけるな!!名を名乗れ」

西野課長は怒鳴った。

『コレが私の呼び名なの。それじゃぁ闇に光り輝く時にお会いしましょう』

ブツリと一方的に電話は切れた。
天宮を含め全員が黙り込む。
そんな中、警視庁にFAXが届いた。

“私が欲しいものは既にその手に。黒猫”

謎の一文と猫のイラスト付きで送られて来た。

「既にその手に、、、どういう意味だ?」

伊井田は、「ん~」と言いながら腕を組んで悩み始めた。

「S美術館は宝石専門だ」

西野課長は美術館には詳しいようだ。

「それじゃぁ検討がつかないじゃないですか!」

焦る伊井田。
その隣で先程届いたFAXと睨めっこをしている天宮は、「あっ」と声をあげた。

「この、既にその手にってヒントなんじゃないですか!?」

「よし。今から天宮と伊井田でS美術館へ行って調べてきてくれ」

西野課長の指示で2人はS美術館へ向かう事になった。
S美術館までは車で2,3時間程である。