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「……っ!」


キラキラと輝く、光の粒。



風は音を立て、駆け抜けていく。


白い影はパキパキと、人知れずに目の前を去って行った。


滅多に入らないだろう、その緑の中を歩く者にですら、強い風としか思わせないほどに。


「――…わっ!」






そこを父親と歩いていただろう、小さな少年にも。





風と思わせてしまうほどに。