そして俺はアリネを肩から下ろした。
いつも俺達が集まっては話し、笑い。
喧嘩しては仲直りさえした、あの大きな木の所から離れた場所へ。
「…大丈夫か? アリネ」
「う、うん」
俺はホッとしたように息をつくと、彼女の隣に腰を下ろした。
木漏れ日が気持ちいい。
そう思いながら、言葉を紡ぐ。
「おばさんの剣幕にやられたか?」
顔を俯いたまま、アリネは頷いた。
正直に首を縦に振った彼女に、俺は軽く声をあげながら笑う。
「ははっ。いつもの事だけど、おばさんすごいもんな」
「う…。だ、だって」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…