中はガラスほどではないけれど、村ではそれをやってるがために、当然のようにあるもの。
――それは、牛乳を使って作られた製品だった。
セラディは国の人間にはガラス細工が有名な村であるけれど、主に酪農が生活の要であり、食事にそれを使わない、見かけない日はないほどだ。
「……はぁ」
その中身を見て、俺は人知れずため息をついた。
アリネがくれた物は俺達にとって助かる物だけれど、それは少なからずとも、あの人達に手渡さないといけない物もあって。
あれが嫌いな俺には苦痛だ……。
……まぁ、適当に置いときゃいっか。
とりあえず。
