-『7073』-


「ただいま。」


ポソッと呟く。


「おっかえりぃ~、美希ぃ~っては!?」


お出迎えに来てくれた櫂は、あたしを見て固まった。


「ちょっ、美希、どうしたの~!!?!?」

「平気だから、通して?」


櫂の声を聞き付けたらしく、他の3人も出てきた。

皆いたんだ…。
皆仕事でいないことを期待してたのに…。


「美希…?!」


グッとあたしの肩を掴んだ裕介。


「…離して。」

「美希…勇士は?」

「っ…知らない。」

「なんだ? ケンカでもしたか?」

「っるさいなっ!!! 皆してっ…放っといてよ!!!」


あたしは脱衣所に飛び込んだ。


…服、ビチョビチョ。

勇士の家を出てすぐに、雨が降ってきちゃって。


傘を買う気にもなれずにそのまま濡れて帰って来た。


「…勇士っ。」


涙が止まんない。

なんで…?


なんで、あたし、あんな否定されちゃったのかな??


あたし、何かしちゃったの?


「勇士ぃ…。」


蘇る、1年生のときの記憶。