あー、とうとうおばあちゃんに会わなくちゃいけないんだ…

勇士の育ての親に。


「ちょっと待っててください。」


そう言って、蘭サンは部屋から出て行った。

残されたあたしは、もう心臓バクンバクン。


「はぁ…。」


ため息を吐きながら入って来たのは勇士。


「勇士…。」

「…なんかお前、緊張してる?」

「へっ!?」

「顔強張ってんぞ。」

「うっ…。」


そら緊張するわ!!

だって…だってだってだって!!!


「んな緊張することもねぇよ。」

「でも…。」

「ばあちゃん優しいっつってんじゃん?」

「…。」


そうだけど、緊張するもんはする!!!!


ドキドキしてたら、噂のおばあちゃん(?)が部屋に入って来た。

すっごい優しそうなおばあちゃん…。


「は、初めまして、勇士クンとお付き合いさせていただいてる、
北条 美希といいます!」


正座しながら、軽く頭を下げた。


「初めまして、美希サン。」


聞こえた声はとても優しげで、
頭を上げると、とても優しく笑う、おばあちゃんの顔が目に入った。


「こんな田舎まで、ようこそ。」


そう言ってくれた。


「…ありがとうございます。」


緊張がほぐれていくのが分かった。