「カットォオオオオ!!!」


今日の藍クンの叫びは…すごかった…。


「完結~!!!」


イェ~~~~イッッッッ!!!!!

無事、『Butterfly』完結です!!☆


「キャーーッ!!」


思わず涙が出る。


「勇士クン、ちょっといいかな…。」


歓声の中、美桜が勇士を小声で呼んだ。

それに気付いたのはあたしだけだったみたいだ。


美桜はあたしをちらっと見た後、気まずそうな顔をして、勇士と一緒にひまわり畑の中の、あたしたちのいた所から死角になっている所に行った。


あたしはこっそり近くまで行って、聞いている事に。


「あ、のね? 勇士クン。あたしね、勇士クンが好きなの。」

「…。」

「付き合いたいとかそういうんじゃないの。ただ、想いを伝えたかっただけなの。」

「…うん。」

「ゴメンね、なんか…。」

「いや…マジメに言ってくれてるだろうから、俺も一応マジメに返事しとくわ。
…俺、美希じゃなきゃダメだ。映画の中で演じてる時も、今も同じ気持ちで返事してる。」


”映画の中で演じてる時も”


「…うん、ありがとう。

美希と、幸せに…ね。」

「おぅ、サンキュ…。」


…あたしはその場で丸くなると、ほんのちょっぴり涙を流した。

美桜と勇士の想いが痛いくらいに伝わってきたから。


ありがと、勇士。


温かいよ…すごくすごく、温かいよ……。